ACCESS パソコンを変えた場合に必要な設定

パソコンを変えた場合に必要な設定

パソコンを変更するタイミングでACCESSがうまく動かなくなったという声をよく聞きます。
業務で定常的に利用しているACCESSが利用できなくなっては困りますね。

今回は、パソコンを変えた場合にACCESSで必要な設定をご紹介します。


こんにちは。
はこにわガジェット (@hakoniwagadget) です。

ACCESSを使った売上管理、顧客管理などのデータベース開発を行っています。
ACCESSは使いこなすために少しスキルが必要なものの、うまく活用すればExcelよりも業務の効率化が図れます。
この記事ではACCESSの基本的な使い方をご紹介していきます。

パソコンを変えた際にACCESSで発生する不具合

パソコンを変えた際にACCESSが使えなくなったというケースではいくつかの原因が考えられます。
以下によく発生する要因を3つまとめてみました。

それぞれ、詳しく解説します。

リンクテーブルの接続が切れている

発生事象

新しいパソコンを導入し、ACCESSのファイルも古いパソコンからコピーして使おうとした際に、以下のような「ファイルが見つかりませんでした」というメッセージが表示されることがあります。

原因

このケースでは、ACCESSのファイルが2つ以上に分割されており、その分割した参照先のファイルのファイルパスが変わってしまったことが原因であるケースがほとんどです。

ACCESSには、データベースの分割という機能があります。データベースの分割とは、データベースを利用者用のフロントエンドと、データを保管するバックエンドに分けて利用することです。
分割することで利用者がデータの実体であるテーブルの設定を変更することができなくなりますので、誤ってテーブルを削除したり設定を変えてしまったりことを防ぐことが可能です。

データベースの分割について詳しくは以下の記事をご覧ください。

データベースを分割して複数人で共有する方法

分割したデータベースでは、フロントエンドデータベースからリンクの形でバックエンドデータベースのテーブルを参照しています。
このバックエンドデータベースファイルの場所(ファイルパス)がACCESS内に記録されているのですが、パソコンを変えた際にファイルの置き場所を変えてしまうことで、リンク先が見えなくなってしまって上記のように「ファイルが見つかりませんでした」というエラーが発生してしまうのです。

解決方法

この問題は、フロントエンドファイルからリンクテーブルマネージャーを使って、正しいバックエンドファイルへリンクを設定し直すことで解決可能です。
リンクテーブルマネージャーはACCESSメニューの「外部データ」から利用できます。

リンクテーブルマネージャーを起動すると、下記のようにリンクの設定画面が表示されます。

データソース情報と記載されているのが、もともと設定されているバックエンドファイルのファイルパスです。おそらくこれが現在のパソコンにあるバックエンドファイルの置き場所とは異なっているはずです。

この設定を変更するには。データソース名のチェックボックスにチェックをつけ、右側の「再リンク」ボタンを押しましょう。その後、エクスプローラーで正しいファイルの場所を選択すれば設定が変更できます。

この際、下記の確認メッセージが表示されます。ここで「はい」を選ぶと、テーブルの回数分確認メッセージが表示されますが、気にせずに「はい」で進めることで設定変更が完了します。

WindowsのOSが32ビットから64ビットに変わっている

発生事象

新しいパソコンでACCESSを起動した際に、以下のように64ビットシステムで使用するために更新する必要があります、と言われるケースがあります。

起動時にこのエラーメッセージが出てしまいますので、ACCESSが利用できません。

原因

これは、ACCESSのプログラムが32ビットで作成されたために、64ビットに対応していない、ということです。

ビット数とは、パソコンが情報を扱う際のデータの単位です。2024年時点のWindowsでは32ビットと64ビットがありますが、以前は32ビットしか存在しませんでした。そのため、古いACCESSは32ビットで作成されていることが多くなります。

一方で、新しいパソコンは64ビットが標準となっているため、パソコンを入れ替えることによって、使用者が意識せずとも32ビットから64ビットへの移行が行われることになります。

解決方法

上記のエラーが出た場合は64ビットへAccessファイルのVBAプログラムを修正する必要があります。
ただ、それほど難しい修正ではないので安心してください。

行うことはエラーメッセージに書いてある通り「Declare」ステートメントに「PtrSafe」属性をつけていく、とい処理です。VBAのコード中にDeclareという表現があるはずですので、Declareステートメントの後ろにPtrSafeを追加します。

上記のエラーメッセージが出た後に、「OK」を押すと、Visual Basic Editor(VBE)の画面が起動すると思います。そこで、置換を使ってDeclareをDeclare PtrSafeに一括変換しましょう。

詳しくは以下の記事に書いてありますので参照してください。

64ビット対応にDeclareステートメントを修正する

ACCESSが参照している何らかのファイルの場所が変わっている

発生事象

最後に、ACCESSが参照している何らかのファイルの場所が変わっているケースです。

この場合は、上記のようにファイルパスが正しくない、というエラーが表示されます。

原因

これは、ACCESS VBAのプログラム内で外部のファイルが参照されており、そのファイルパスが変わってしまったために発生します。
ExcelファイルをACCESSにインポートする処理や、外部の画像ファイルをACCESSに読み込む処理などが作成されている場合に発生します。

パソコンの変更に備えてファイルパスをユーザーが変更できるシステムになっていればよいのですが、場合によってはプログラムの中にファイルパスが直接書かれているケースなどもあり、修正作業の難易度は開発者のプログラムの記述方法に依存します。

解決方法

この場合は、VBAのプログラムを解析して該当箇所を修正するしかありません。

先ほどのエラー画面でデバッグを押すと、エラーが出ている箇所が黄色く表示されます。

黄色くなった箇所の記述に問題があるのでそこを新しいファイルパスに修正しましょう。

上記のように3パターンのトラブルが、パソコンを変えた際に起きやすいので対処法を知っておくと安心です。

以上、パソコンを変えた場合に必要な設定をご紹介しました。


ACCESSを使いこなせば、業務の効率化や自動化が実現できます。
しかし、自分でACCESSを学ぶには時間がない、難しそうで不安、という方も多いでしょう。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。