ACCESSは時代遅れなのか 300件以上のACCESSサービス提供実績を基に解説

ACCESSは時代遅れなのか

ACCESSは時代遅れなのか?
現在使っているACCESSは別のシステムで構築し直した方が良いのか?

といったご質問をよくお聞きします。

確かにACCESSはかなり古くからあるソフトウェアですし、最新

今回は、ACCESSは時代遅れなのか、について解説します。


こんにちは。
はこにわガジェット(@hakoniwagadget)です。

ACCESSを使った売上管理、顧客管理などのデータベース開発を行っています。
ACCESSは使いこなすために少しスキルが必要なものの、うまく活用すればExcelよりも業務の効率化が図れます。
この記事ではACCESSに関する市場動向や利用実態の調査結果を紹介します。

結論:ACCESSはまだまだ中小企業の現場で利用できる

結論から言うと、ACCESSはまだまだ中小企業の現場で利用できます。
最近はクラウドサービスが普及したため、クライアントサーバ型のACCESSを利用しているのは古臭く、時代遅れに感じるかもしれません。

確かに、業務形態によってはACCESSではなくクラウドサービスを利用した方が便利なシーンもあります。
一方で、ACCESSにしかできない、ACCESSの方が便利な業務も実在することは事実です。

20年以上前に作ったACCESSが稼働しているなんていう話もよく聞きます。
こうしたシステムを他のプラットフォームに乗せ換えるのは一苦労でしょう。無理に載せ替えても使用感が変わって使いにくいというケースもあり、使い慣れた方が多いほど載せ替えは大変ですし、不具合などのリスクもあります。

重要なのは「古いかどうか」ではなく、「業務に役立っているかどうか」です。
その意味で言えば、ACCESSは導入コストが低く、業務にフィットしやすく、保守や修正も現場主導で行いやすいという中小企業にとって非常に現実的な選択肢なのです。

ACCESS支援サービスの状況

実際に、私が全国の企業様から受けているACCESSの開発、改修、指導サービスの件数推移を以下に示します。
これまでに300件以上のご依頼を対応してきました。

ACCESS支援サービスの依頼件数推移
ACCESS支援サービスの依頼件数推移

年を追うごとに依頼件数が増えており、まだまだACCESSを使っている職場が多いことがわかります。

次は、ご依頼いただいたサービスの内容です。

サービス内容構成

指導が43%、修正が40%と多く、新規開発は17%に留まっています。
これは新しくACCESSでシステムを作る人よりも、既存のシステムを維持管理、または改修して使い続けたいという方が多いことを示しています。

また、指導に関しては「前任者がいなくなってACCESSに詳しくないのに管理しなければいけない」といった方から、不具合の解消をピンポイントで依頼されるケースが多くなっています。

上記をふまえると、確かにACCESSは新しく業務システムを作る際に第一優先の選択肢となることは少ないかもしれませんが、既に多くのシステムがACCESSで動作しているという観点からまだまだ使い続ける職場が多いと言えるでしょう。

こうした、前任者不在の職場でACCESSを使う方のための書籍が、拙著「残された人のためのAccess入門」です。

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ご興味のある方はぜひ読んでみてください。

なぜ「ACCESS=時代遅れ」と言われるのか

ACCESSが「時代遅れ」と言われる理由には、いくつかの背景があります。
ここでは代表的なものを整理してみましょう。

クラウド時代の価値観とのズレ

今の主流は、インターネット経由でどこからでも使えるクラウドサービスです。Googleスプレッドシートやkintone、Salesforceのように、ブラウザさえあれば使える仕組みが増えてきました。
一方、ACCESSは基本的にローカル環境で動作し、ファイルを共有フォルダでやり取りするようなスタイルが一般的です。この「クラウドでない」という点が、「古い」と見られやすい原因の一つです。

実際にACCESSはWindowsでしか動きませんので、スマホやタブレットで動作させることができません。
ノマドワーカーのように、様々な場所でスマホなどのマルチデバイスで業務を進めるスタイルの方には合わないことが事実です。

代替ツールの存在

最近では、ノーコードやローコードツールの進化によって、専門知識がなくても業務アプリが作れる時代になりました。ExcelやGoogleスプレッドシートをベースにした簡易的な管理、あるいはクラウドSaaSの導入が進んでおり、あえてACCESSを新規導入する企業が少なくなってきています。

Microsoftからの発信が少ない

ACCESSはMicrosoft Office製品の一部ですが、最近では同じOfficeの中でもExcelやPower BIなどに比べて、アップデートや露出が少ない印象があります。
公式ブログやイベントでも取り上げられる頻度が低く、「開発が止まってるのでは?」と不安を感じる人もいるかもしれません。

ただし、これらの要因は「ACCESSがダメ」という意味ではなく、「時代の主流とは少し方向が違う」というだけの話です。
次章では、そうした状況にもかかわらず、なぜACCESSが中小企業で根強く使われ続けているのか、その理由を深掘りしていきます。

それでもACCESSが中小企業で使われ続ける理由

クラウド全盛の今、Webブラウザで使える業務アプリやSaaSが注目を集めています。
一方で、ローカルで動作するACCESSは一見「時代遅れ」に見えるかもしれません。
しかし実際には、クラウドサービスにはないACCESSならではの強みがあり、だからこそ中小企業の現場で今も選ばれているのです。

クライアントサーバ型だからこそできる「高いUIの自由度」

クラウドサービスの多くは、Webブラウザ上で動作することを前提としているため、ユーザーインターフェースの自由度が限られます。
ボタン配置や入力フォーム、ナビゲーションの挙動まで、ある程度「サービス側の都合」に合わせなければなりません。

その点、ACCESSはクライアントアプリケーションとして動作するため、画面設計の自由度が圧倒的に高いのが特徴です。
「入力しやすい画面にしたい」「チェックのタイミングを操作ごとに変えたい」「担当者によって表示内容を変えたい」――こうした細やかなUI設計が自在にできるのは、クラウドサービスにはないACCESSの大きな強みです。

業務にぴったり合わせられる“現場目線”のカスタマイズ性

クラウドサービスは汎用的で、広く多くの企業に対応できるよう設計されています。
そのぶん、「あと一歩業務にフィットしない」と感じるケースも少なくありません。

ACCESSは、特定の業務にぴったり合うアプリケーションを自社内で作れる点が優れています。
開発や修正のハードルも比較的低く、現場からの要望にすばやく対応できるため、業務改善が現場主導でスピーディに進められるのです。
たとえば、「月末の売上集計をもう少し見やすくしたい」「帳票のフォーマットを取引先ごとに変えたい」といった要望にも柔軟に応えられます。

このようなACCESSならではのメリットと、自社の業務スタイルを加味してACCESSの利用是非を検討するとよいでしょう。

以上、今回は、ACCESSは時代遅れなのか、について解説しました。


ACCESSを使いこなせば、業務の効率化や自動化が実現できます。
しかし、自分でACCESSを学ぶには時間がない、難しそうで不安、という方も多いでしょう。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。